無名のままではもったいない!SNSで選ばれる個人ブランディングの重要性

sns_heart

現代社会は、かつてないほど「」が活躍できる時代になってきました。SNSの発展や働き方の多様化により、特定の組織や肩書きに依存しなくても、自らのスキルや価値観を社会に対して発信・提供し、経済的にも自立できる可能性が広がっています。

私はこれまで、イベントや企業の広告・クリエイティブディレクションやSNSを活用したマーケティングの現場に携わってきました。その中で強く感じているのは、これからは、個人がより戦略的にブランディングしていく必要があるということです。

なぜ個人にブランディングが必要なのか?

そもそも「ブランディング」とは、自分がどのような価値を社会に提供できるのかを明確にし、それを一貫して発信していく行為です。
言い換えれば、「他者からどう認知されるか」を自らの潜在的な意思を通して設計していくプロセスとも言えるでしょう。

個人が活躍するには、「認知」が不可欠です。どれだけ素晴らしいスキルや想いを持っていても、それが他者に知られていなければ、機会に結びつくことはありません。そのために見た目やロゴを整える必要性も生まれます。

ブランディングは、その「認知」を計画的に広げていく役割を果たします。

大きな枠組みでは伝わらない時代

かつてのマーケティングは、主に大企業がブランドの価値やイメージを構築し、大衆に向けて一斉にアプローチしていくものでした。テレビCMや新聞広告といったマスメディアを使い、大きな枠組みで共通のメッセージを発信するスタイルです。

しかし現代では、ひとり1台のスマートフォンというメディアを持つことで、人々の価値観やライフスタイルが極めて細分化されています。全員に向けたメッセージでは誰の心にも響かない時代になっているといえるでしょう。

このような背景の中、個人が自分のスキルや価値観をもとに、特定の人に向けて深く届くメッセージを発信することの重要性が増しています。

大きな枠組みでは拾いきれない個別のニーズに対して、個人のブランドがダイレクトに応える時代になっているのです。

自分の価値をどう見つけるか

では、自分をブランディングしていくには、まず何から始めるべきなのでしょうか?
その第一歩は、自分の価値を客観的に理解することです。これは難しい作業です。なぜなら、私たちは自分の強みや特徴をあまりにも当たり前に感じていて、それが他者にとって価値があるとは気づきにくいからです。

そのため、自己分析だけでなく、他者からのヒアリングやフィードバックを通して、自分では見えない一面を発見していくことが効果的です。

過去に感謝された経験や、自然と頼られることが多いテーマなどを3つ書き出してみてください。具体的に振り返えってみることで、自分ならではの価値が見えてくることがあります。

どんな人に届けたいのかを明確にする

価値が明確になったら、次に必要なのは誰に届けたいのかという視点です。
すべての人に届くブランドなど存在しません。むしろ、届けたい相手を絞り込むことで、より深く共感されるブランドになっていきます。

これはマーケティングでいう「ターゲティング」にも近い考え方でです。届けたい相手を具体化することで、その人たちの心に刺さるメッセージがつくれるようになります。

インフルエンサーにも求められる自己理解

SNSの普及により、個人がフォロワーを獲得し、影響力を持つ「インフルエンサー」として活躍する例も増えました。しかし、多くのインフルエンサーが直面する壁として、「特定のSNSでは知名度があるが、それ以上に展開できない」という問題があります。

この壁を乗り越えるには、自分の強みをより深く理解し、その強みをどのように社会や特定の層に価値として還元できるかを再定義することが求められます。

「バズ」や「流行」に乗るのも一定のフェーズ(段階)においては重要ですが、将来的に持続可能なブランドとして自分自身を設計する必要があるのです。

例 : フードデリバリーでSNSを活用して自己ブランディング

sns_respond

フードデリバリーの配達のお仕事をしている人がSNSでブランディングしていくにはどうすればよいでしょうか。過去に注文者に感謝された経験を振り返ることで自分の強みが見えてくることがあります。他者と比較して自分が強みとなる事柄を見つけられると以下のように発展していくことが可能です。

信頼とファンの獲得

「丁寧な配達」「清潔感のある身なり」「配達時のちょっとした気遣い」などを投稿し続けることで、ユーザーや店舗からの信頼が高まり、応援してくれる“ファン”がつく可能性があります。配達員の枠を超えて「この人に届けてほしい」と思われる存在は個人の価値を高めてくれるでしょう。

他の配達員との差別化

「ただ配達している人」から、「こだわりを持って働くプロフェッショナル」だとどちらに配達してもらいたいでしょうか。配達中のエピソードや工夫、使っているガジェットの紹介、雨の日対策などを発信することで、“魅せる配達員”としてブランディングが可能になります。

企業案件やメディア露出の可能性

SNSでの影響力が増せば、フードデリバリー関連企業やガジェットメーカーからのタイアップ依頼、さらにはメディア出演のチャンスも生まれます(例:YouTuberのフーデリ配達員、Xでバズったエピソード投稿者など)。

副業や次のキャリアに

自己ブランディングによって、「この人面白い」「仕事を頼みたい」と感じた人から、ライティング、広告モデル、インフルエンサー案件など副業の依頼が来るケースも。配達員から“発信する個人”へとキャリアが広がります

業界に良い影響を与える

ネガティブな印象を持たれやすい職種でも、ポジティブで誠実な情報発信をすることで、業界全体のイメージアップにも貢献できます。

個人ブランディングの未来

これからの時代は、誰が言っているかがますます重要になります。同じ内容でも、語る人の背景や価値観によって、受け取られ方はまったく異なる文脈になるのです。

だからこそ、自分自身の価値を見つけ、それを丁寧に言語化し、社会と共有していくことが欠かせません。ブランディングとは、自分を偽ることではなく、自分の本質を発見し、それを届けたい人へわかりやすく伝えていく行為です。

個人がブランドになることで、組織や環境に依存せず、自らの手でキャリアや人生をデザインしていくことが可能になります。そして、その過程を通じて、共感する人たちとの出会いや、持続可能なビジネスの土壌が育っていくのです。

まとめ

個人がブランディングしていくことは、これからの時代において「自立」や「発信力」「その業界のポジション」を高める上で欠かせない戦略となります。

自分の価値を見つけ、届けたい人にその価値をしっかり伝えていくこと。それこそが、個人が活躍するための土台であり、社会が発展していく鍵となります。

タイトルとURLをコピーしました